ある会社に長年勤めてきた、会社でも重要なポジションでもあった方が、会社を辞めた、との事でご挨拶に来てくださいました。
その方のお話を聞いてても思いましたが。
人が会社を辞めたいと思う一番の理由がハッキリしました。
会社から人が去る時
会社を辞めるにもいろんな理由があると思います。
給与が安いとか。
時間が長いとか。
残業が長いとか。
休みがないとか。
上司が嫌いとか。
同僚か嫌いとか。
面白くないとか。
他にも色々あると思いますが、僕はそういう所じゃないと思っています。
絶対に一番の理由は、将来が見えなくなった時です。
問題は今じゃなくて未来の方だと。
経営者はきっと給料が安かったかな、とか時間が長かったかな、とか。
すぐそういうこと思いがちですが、問題はそこじゃない、と思うんです。
実際、今。しんどい会社ってたくさんあるんですよね、というか、そういうとこだらけ、とすら思うんです。
特に立ち上げて間もない会社やお店であれば、給与も安くて、休みはなくて、労働時間は果てしない、なんてこともザラにあります。
どう逆立ちしても大手には福利厚生では勝てないし、労働環境でも勝てません。
でも、それでも立ち上がったばかりの会社には、人はたくさん集まってきたりします。
そう考えると、これからどうにかしていこう、来年には、3年後には、いつかは…。
と、みなさん未来のためには今を頑張れるんだなぁ、と思うわけです。
世の中の経営者の力の源泉のほとんども、この未来をどうにかしよう、という所にあると思います。
でもスタッフさん達は、その来年こそは来年こそは…。
を繰り返す中で、いつまでも改善されない(もしくは悪くなっていく)今を突き付けられ、未来が描けなくなり、辞める、という決断に達するのだと思います。
これはでも何にでも言える話で、音楽を辞める人も、スポーツを辞める人も、残念ながら人生を諦めちゃう人も。
今は今できついのだと思いますが、それよりも未来が描けなくなった時だと思うんです。
今きつくても今さえ乗り切れば、うまくいくことが描ければ、人は絶対に辞めないんです。
経営者にできること
だからもしも、辞めたい、と言われた時に、
「何が不満なの?お金?お金なら、給与上げるから。休みなら休み増やすから。」
とか、そういう今できる事で引き留めようとしても相手の心に響かないと思うんです。
経営者や会社に対して、未来を描けなくなったわけであって、経営者や会社に信用が積みあがってない事が問題なんです。
どんだけ頑張っても、社長の飲み代が増えるだけだな。
どんだけ売上ても、社長の車が新しくなるだけだな。
どんだけ利益だしても、次から次に新規事業に投資されて、この会社はいつまでも既存スタッフが恩恵に与かることはないな。
そう思われてる事が問題だと思います。
みんなが未来を描けるように。コツコツと信用を積み上げていく、という事が大事ですね。
経営も仕事も生き方も、なんでも一緒。